言葉以前の状態.. 2009年10月6日(火)
禅では、 「とらわれる」 ことが、 苦の原因になると言っています。 言葉は、人とのコミュニケーションに必要なものですが 、 「とらわれる」原因にもなっていると思います。 例えば、 「ある物」を 「コップ」だと言葉で、 とらえてしまうと その「ある物」は、 花瓶だとか灰皿だとか…いろいろな無限の可能性を 「コップ」ひとつに限定してしまいます。 言葉は、無限の可能性から、ひとつのことに限定してしまいます。 この限定で 人間は、 不安になったり、安心したりするのだと思います。 「あること」が起きて、 「いいこと」と、 言葉でとらえて(限定して)安心し、 「悪いこと」と言葉で、とらえて(限定して)不安になっている。 「あること」が起きて、 それを限定しないで、ただ見ている…言葉でとらえる前の状態でいる(言葉以前の状態に留まる) ここには、 安心も、不安もないと思います。 この言葉以前の状態が「とらわれない」状態であり、 平安であると思います。